どれだけ試行錯誤を楽しめるか、好奇心の強さがおいしさを生み出す

竹内 志乃

Profile
新卒で航空会社に就職。地上職スタッフとして接客業に従事し約6年間勤務。その後、IT系企業の秘書業務をメインに3年間勤務。その間、学校に通いフードコーディネーターの資格を取得。食への人並み以上に強い好奇心や得た知識を、趣味ではなく仕事として生かしたいと考えていたところ、ドトールの求人広告に出会う。募集職種は飲料の開発。理数系の素養があれば未経験でも可という条件だった。ドトール入社以来、数多くのチルドカップ飲料の開発に挑んでいる。

竹内 志乃

企画・開発・営業が一つのチームだから強い

コンビニエンスストアチェーン(CVS)に並ぶチルドカップ飲料の商品開発に携わっています。
ドトールの営業部門は、商品推進部門の企画、商品の中身をつくる開発(私)、お客さまとの接点となる営業の3者が一体となり、チームとして動いています。一人ひとりの役割は明確ですが、新商品のアイデア、試飲による味の決定、最終的に量産化する商品については、役割の枠を超え3者のミーティングによって決定されます。
私が開発しているチルドカップ飲料のほとんどは、CVSで売られる商品です。なので、おいしい商品、ユニークな商品である以前に、CVSを利用されるお客様が求める商品であるかどうかが重要です。CVSのチルドカップ飲料を取り巻く市場は、これまで市場をけん引してきたコーヒー飲料以外にもスムージーなど多様な飲料が登場し、さらにCVS独自のPB(プライベートブランド)商品のラインナップも増え、NB(ナショナルブランド)商品の棚取り合戦は、年々激しさを増しています。新製品も続々と投入され、商品の入れ替えサイクルも早いですが、ドトールにおいては企画・開発・営業が縦割りの組織ではなく、機能が融合した一つのチームなので、時代やトレンドの変化に柔軟かつスピーディーに対応できるのが、何よりの強みです。

棚というステージに、ドトールの商品を立たせるために

CVSの棚というステージに、いかにドトールの商品を立たせるかは常に重要なテーマです。CVSにアピールする商品を開発するために、エンドユーザーがチルドカップ飲料に求める価値を再検証。その結果、ミルクやコーヒー素材に対する鮮度や品質を重視していることが分かりました。そして企画されたのが「ミルク抽出製法」による商品です。「ミルク抽出製法」とは、インドのチャイやロイヤルミルクティーのように、コーヒー豆をミルクに漬け込んで味や香りを抽出する製法です。何年か前から検討してきたこのアイデアを、今こそ市場に投入すべきと考えました。ミルク抽出は、お湯の抽出に比べ、ミルクの味がしっかりしているうえ、コーヒーの味も引き立ちますが、おいしいと納得できる味を実現するまでには多くの試行錯誤を繰り返し、粘れるところはギリギリまで粘って開発を続けました。
量産化にあたっては、この新製法に興味を示したメーカーにドトールも出資、工場にミルク抽出用に製造ラインの改良が行われました。営業部門だけでなく、会社を巻き込んだ大きなチャレンジが始まりました

好きじゃないと、好奇心が強くないと、絶対に続かない

量産前に社内のラボでほぼ100%完成した味を作り、工場に落とし込むのは開発の役割です。味の研究には膨大な時間がかかります。ドトールが保有する豆の種類と焙煎技術を考えれば、その組み合わせは無限大です。おいしいと納得できる味を実現するために、豆のブレンド、焙煎方法、ミルクとの相性や比率、抽出の温度や時間、香料など、さまざまな配合の設定、修正、改良を繰り返します。材料のわずかな調合の違いによって味が大きく変化することもあります。私の場合、いつも難しいのは香料風味付けです。チルドカップ飲料は、製造から販売まで、低温(チルド)状態で管理されているカップ飲料であり、風味が大切です。試作品が出来るまで何度も試飲を行いますが、これがベストと言える風味にたどり着くまで、多くの試行錯誤を繰り返します。思うように味が仕上がらず、行き詰ることも多々ありますが、 自分が思い描くものを形にでき、また多くのやり方を試しながら、いろんなおいしさを追求していくことは楽しみでもあり、この仕事が好きなところです。
未経験で開発の仕事に就いたため、膨大な知識を付ける必要がありましたが、そうしたことが全く苦にならず、すべて新鮮味がありました。開発の仕事は、とにかく好きじゃないと、好奇心が強くないと、絶対に続かない仕事だと思います。

1日の流れ

9 : 00 出社。メールチェック。その日の試作準備。
9 : 15 ラインテスト品の保存検査、試作開始(抽出、原料計量、調合、原料選定、試飲など、一通りの試作を実施)。
9 : 30 試作開始(抽出、原料計量、調合、原料選定、試飲など、一通りの試作を実施)。
13 : 00 昼食。
14 : 00 企画・開発・営業3課での定例ミーティング。
15 : 00 原料メーカーとの商談、電話でのやり取り等。
16 : 00 明日の試作の配合作成、表示作成等の書類業務。
17 : 00 試飲、試作室の片付け等。
17 : 30 書類作成、書類チェック、メールチェック等。
18 : 15 退社。

キャリアステップ

2001年 航空会社入社。地上職。
2008年 IT企業入社。秘書業務。
2011年 (株)ドトールコーヒー入社。営業。