ドトールコーヒーという全く新しいカルチャーを海外で創造する

張 志成

Profile
2000年、日本語を学ぶために来日、日本語学校を経て中国日本の大学で国際マネジメントを学ぶ。その後、コンサルティング会社にて日中間ビジネスにおけるコンサルティングの仕事を多数こなす。日本企業の中国進出支援、進出のスキームや事業戦略づくり、共同事業のパートナーを探し、進出前のマーケット調査、商品の販路開拓など、さまざまな要望に応えながら多くの経験を積む。2014年、中国進出を考えていたドトールに協力したいと考え入社。日本のコーヒーブランド(文化)をアジアに紹介し、広げ、最終的に国同士の友好に繋げたいと考えている。

張 志成

海外パートナー企業選びは、結婚に似ている

ドトールは現在、台湾に3店舗、シンガポールに1店舗、マレーシアに3店舗のDCS(ドトールコーヒーショップ)を展開しています。マレーシア1号店は、2016年にできた店舗です。海外事業室は国別に担当が分かれており、私が担当するのは中国とフィリピン。いま着々と海外進出に向けてビジネスを進めています。海外進出における参入手段には、現地法人設立による単独進出やM&Aなど、さまざまなパターンがありますが、現地での調査・検討の結果、フィリピンの場合はマスターフランチャイズ契約、中国の場合は現地企業と共同でビジネスを行うジョイントベンチャーとの方向を進めています。
ジョイントベンチャーの場合、信頼できるパートナー選びが成功の鍵となります。そして、ビジョンや価値観にお互いが共感できるかが最も大切です。利益追求を優先すると長続きはしません。「中国は今コーヒーがブームで毎年成長している、ビジネスチャンスがあるから絶対儲かる」という動機だけで始めたビジネスは失敗します。なので、パートナー企業を選ぶ際、相手側には「ドトールでなければならない理由」がどれだけあるかを判断します。末永く運命を共にするパートナー企業選びは、結婚相手を選ぶことに似ています。

文化の差を埋めて、真のWin Winの関係を作る

パートナー企業という結婚相手が決まったら、すぐに婚姻届に判を押せばいいかというと、当然そうではなく、正式な合弁契約の前に、重要ないくつかの交渉過程があります。主要な商業条件について大筋の合意に達したというお互いの意思確認をするLOI(提携意向書)の締結事業計画の作成のためのFS(フィージビリティスタディ=事業可能性の検証)。数年先を視野に入れた事業計画。そして合弁契約書の作成に向けたタームシート(重要項目)の項目ごとの交渉があり、合意が得られれば契約書を作成、調印式となります。ここまでの交渉に半年〜1年くらいかかります。
日本企業が海外進出する場合、例えば100の条件があるとすると、ほぼすべてクリアしないと前に進みません。中国の会社は6〜7割条件をクリアすれば、とりあえずやってみよう、ということで動き出します。ある程度条件がクリアできれば、まずは動き、修正しながら、軌道に乗せようと考えます。これは、どちらが正しいという問題ではなく、文化の差なんです。こうした文化の差を埋めて、お互いの信頼関係を築き、真のWin Winの関係を作ることが私の使命だと思っています。

中国で全く新しい文化を作る挑戦を

中国はもともとお茶の文化でした。しかし1980年代、鄧小平による改革開放の政策が始まると、市場経済が一気に加速しました。閉鎖的だったドアが開かれ、海外からのモノや文化が一斉に流入しました。99年にはシアトル系のコーヒーが中国に1号店を出店、それを機にセルフ式のコーヒーチェーンという、新しいカフェ文化が浸透していきました。そのため、中国のコーヒーはラテがスタンダードになりました。現在では、上海、北京、広州、深圳など都市部では、日本と同じような競争が起きています。サードウェーブコーヒーの店も登場し、多彩なカフェがたくさんある雰囲気は東京に似ています。
中国市場において、ドトールの認知度はゼロに近い状態です。ブランドイメージを新しく作らなければなりません。私はドトール=本当においしいコーヒーのブランド、高感度な消費者に支持される本物志向のブランドにしたいと思っていますし、実際にドトールの品質は海外で十分に誇れるものです。その下地づくりとして、まず消費者を啓蒙することが必要です。豆の種類や特徴、淹れ方などコーヒーの知識を啓蒙し、コーヒーに興味・感心の強い消費者、おいしいコーヒーの味を求める消費者を創造したいと考えています。中国でドトールコーヒーという全く新しいカルチャーを創ることに挑戦し、中国のカルチャーと融合させながら浸透させていければと思っています。

1日の流れ

9 : 00 出勤。当日のスケジュール確認、
メールのチェック、対応など。
10 : 00 海外との電話会議、打ち合わせ等の準備。
11 : 00 海外との電話会議、打ち合わせを実施。
12 : 00 昼食。できるだけ他の部署の方と一緒に昼食をし、
社内の人脈作りや情報交換。
14 : 00 社内の他部署の方と打ち合わせ。
16 : 00 資料の作成等事務作業。
18 : 30 明日の予定確認等。退勤。

キャリアステップ

2004年 コンサルティング会社入社。
2014年 (株)ドトールコーヒー中途採用入社。
海外事業準備室。